IT活用で製造業に革命を起こす ものづくりデジタライゼーション(発刊:2018年9月)

サブタイトル
著者 羽田雅一

東洋ビジネスエンジニアリング株式会社 常務取締役 新商品開発本部長

出版社(定価【税別】) 幻冬舎メディアコンサルティング(1,500円)
筆者は、ITコンサルタント・ベンダーの東洋ビジネスエンジニアリング(産業プラント開発の東洋エンジニアリングを発祥)の常務取締役であり、プログラマ・システムエンジニアとして製造業向けのシステムの企画・開発に長年携わってきた。この経験が大きく生きているのであろう。本書は、製造業におけるIT活用、特にIoTの導入による高度化について、骨太ではあるが理解しやすい内容で展開されている。

製造業の業務を「業務領域(人事・原価・生産・販売・会計)」と「競争領域(設計・生産技術・現場情報)」に大きく2つに分けて見ており、特に後者に詳しく触れている。製造工程を見える化し具体的な生産効率の測定にまでつなげていく活用法は、経営の足腰強化に大いに役立つであろう。また、齟齬が生じやすいとされる設計と製造の関係において、部品表・工程表などをリアルタイムで一覧にして情報共有を可能にすることで、これまで生じてきたさまざまなロスを回避できることも提案している。

原価管理と関連付けていることも特筆すべきである。特に、難しいとされるさまざまな間接費の配賦については、IoTの活用による設備や人(作業)のデジタル化が可能になれば、正確かつ大きな手間をかけずにできるようになると述べている。この観点で考えると、製造業はもちろんだが、仕入れた製品・部材を加工して販売・使用する卸売業、建設業、サービス業などにとっても、本書は有益であろう。(2019.1.9記)(蔭西義輝)